NTT DXパートナーは、経済産業省北海道経済産業局と連携し、道内企業のDX推進と企業価値向上を目的とした「DX認定取得を目指すワークショップ」を実施しました。2025年10月から2026年3月にかけて全5回のプログラムに道内7社が参加し、全社がDX認定の申請を完了しました。
ワークショップ開催期間
2025年10月1日~2026年3月2日

本事業について
本事業はDXを推進するために必要な「デジタル人材の確保・育成」を支援することを目的とした、道内の中小企業などのDX認定申請を支援するワークショップ型のプログラムです。
経営ビジョンの整理を起点に、DX戦略の策定、IT環境の方向性整理、人材育成・確保戦略の設計、KPIの設定までを、一本の流れとして段階的に進めました。併せて従業員アンケートも実施し、現場が感じている組織課題やDXへの意識を把握した上で、経営者のビジョンと現場の実態の両面からDX計画を策定する構成としました。
DX認定とは?
DX認定制度は、企業がデジタル技術を活用して経営の変革(DX)に取り組むための体制や方針が整っている企業を、国が認定する制度です。経済産業省が定める「デジタルガバナンス・コード」に基づき、経営ビジョンとDX戦略の整合性、推進体制、人材育成、IT環境の整備などが確認されます。認定を受けることで、DXに取り組む企業であることを対外的に示すことができ、信頼向上にもつながります。また、補助金申請時の加点や各種支援制度の活用など、DX推進を後押しするメリットもあり、近年、企業のDX推進を後押しする制度として注目されています。


本事業の特徴
本事業の特徴の一つは、ビジョンを起点としたことです。DXというと、ITツールの選定や導入の話から入りがちですが、本ワークショップでは「自社はどこへ向かうのか」という目指す姿を言語化した「DXビジョン」を最初に整理することから始めました。これにより、中小企業などにおいて分断されてきた経営戦略・人材戦略・DXを再統合し、事業の方向性に基づいた意思決定が自律的に行われる状態の実現を目指しました。
もう一つは、共通の目的をもった企業を同時に支援する面的支援の形式を採ったことです。各社に共通するテーマは集合型で、個社固有の課題には個別伴走で対応する構成としたことで、限られた体制の中でも7社を同時に支援することができました。地域においては、支援する側の人材やリソースにも限りがあります。その中で、一社ずつの支援に頼らない形として、今回の面的支援は一つの可能性を示せたのではないかと感じています。また、参加企業にとっても、他社の取り組みとの比較を通じて自社を客観視できるという実践的な効果がありました。
ワークショップに参加した企業様からの声
ワークショップ終了後に実施した参加企業アンケートでは、総合満足度について7社すべてが「満足」と回答しました。また、すべての企業がDXの前進に手応えを感じたと回答しています。
さらに特筆すべきは、多くの企業がワークショップ期間中から、自社のDX課題の解決に向けた具体的な行動に移していたことです。DX人材育成研修への申込やタブレット端末の導入、社内規程の見直し、他部署とのDX推進に関する協議開始など、DX認定の取得プロセスを経て、各社それぞれの形で次の一歩を踏み出していました。
自社の成長として効果が現れ始めていると感じている企業も多くあり、ワークショップで整理したことが、日々の企業経営の中に少しずつ入り込んでいる様子がうかがえました。
また、ある企業では、経営層に「DXは自分たちがやり遂げるべき課題だ」という当事者意識が生まれました。別の企業では、従業員アンケートをきっかけに現場から「自分たちで改善したい」という声が上がり、具体的なデジタル活用のアイデアが出始めています。自組織のDX推進に課題を抱えていたある団体では、若手人材が課題解決に向けて自発的に集まったことが最大の成果だったと語りました。
その中でも多くの企業に共通していたのは、ビジョンや戦略を整理したことで、自社がどこへ向かうのかを示す地図ができたという実感です。「何から始めればよいか分からない」という状態から、自分たちで動き出そうという意思が各社の中に生まれていました。また、経営層やDX推進担当者自身が、自社の戦略や人材方針を自らの言葉で説明できる状態に至ったことも注目すべき点でした。




オブザーバー参加した支援機関様からの声
本ワークショップには、地域の経済・産業支援に関わる多様な支援機関がオブザーバーとして参加しました。参加後アンケートでは、全支援機関が満足評価と回答しており、本ワークショップの内容が地域企業の「DX推進」に寄与すると感じたかという設問についても、全支援機関が肯定的に評価していることから、地域の支援機関から見ても、本ワークショップは全体として高く評価されました。
また、経営ビジョンを起点とする支援の考え方の重要性を感じたかという問いに対し、回答者全員が肯定的に回答し、「DXに取り組む姿勢について腑に落ちるものがあった」「社内の意識が醸成されることで、その後のDX化へのスピードは速いように思う」といった声が寄せられました。
さらに、本ワークショップの手法を自機関の管轄エリアで展開したいかという問いには、約7割が前向きな意向を示しました。支援機関にとっても、今後の支援メニューを考える上でのヒントになる取り組みであったことがうかがえました。
まとめ
本事業を通じて、経営戦略・人材戦略・DXを、ビジョンを起点に一本の線でつなぎ、DX計画を策定することで、参加企業の中にそれぞれの変化が生まれました。全社がDX認定の申請を完了しただけでなく、すでに次の行動に踏み出している企業が多くあり、ワークショップで整理したことが、それぞれの経営の中に根づき始めています。
次年度以降は、本事業で培った枠組みをもとに、複数の支援機関が一体となって対象地域や業種を広げ、より多くの中小企業がDXの一歩を踏み出せる環境づくりを進めてまいります。
この経験を土台に、今後もDX推進に取り組む企業とともに歩んでまいります。
参加企業一覧
企業 | 所在地 | 業種 | 概要 |
エム・エス・ケー農業機械(株) | 恵庭市 | 小売業 | 農業機械の輸入販売、アフターサービスなど |
訓子府機械工業(株) | 訓子府町 | 製造業 | 農業機械や食品関連機械の開発・設計・製作 |
札幌商工会議所 | 札幌市 | 経済団体 | 経営支援、地域振興、会員サービスの提供など |
(株)サングリン太陽園 | 札幌市 | 小売業 | 農薬などの生産資材販売、ドローン請負防除など |
(株)道央メタル | 美唄市 | 製造業 | プレス、板金加工、機械加工、溶接など |
三ッ輪運輸(株) | 釧路市 | 運輸業 | 港湾荷役・複合輸送・倉庫・物流センターなど |
(株)三好製作所 | 室蘭市 | 製造業 | 樹脂・プラスチック製品製造 |
参加支援機関一覧
支援機関名 | 所在地 | 区分 | 概要 |
旭川市 | 旭川市 | 地方自治体 | 旭川市における産業振興・企業支援を実施 |
釧路市 | 釧路市 | 地方自治体 | 釧路市における産業振興・企業支援を実施 |
室蘭市 | 室蘭市 | 地方自治体 | 室蘭市における産業振興・企業支援を実施 |
函館市 | 函館市 | 地方自治体 | 函館市における産業振興・企業支援を実施 |
公益財団法人釧路根室圏産業技術振興センター | 釧路市 | 公益財団法人 | 釧路根室圏の産業技術振興と企業支援を推進 |
公益財団法人室蘭テクノセンター | 室蘭市 | 公益財団法人 | 室蘭地域の中小企業への技術支援・経営支援 |
公益財団法人北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団) | 札幌市 | 公益財団法人 | 道内の科学技術・産学連携による産業振興 |
一般社団法人北海道経済連合会 | 札幌市 | 一般社団法人 | 道内主要企業・団体で構成される経済団体 |
一般社団法人北海道機械工業会 | 札幌市 | 一般社団法人 | 道内機械関連産業の振興・技術力向上を推進 |
一般社団法人釧路地域DX推進協会 | 釧路市 | 一般社団法人 | 釧路地域におけるDX推進・デジタル化支援 |
一般財団法人さっぽろ産業振興財団 | 札幌市 | 一般財団法人 | 札幌市の中小企業支援、創業支援、情報・施設などの提供に関する事業 |
独立行政法人中小企業基盤整備機構 北海道本部 | 札幌市 | 独立行政法人 | 中小企業の経営支援・販路開拓などを支援 |
北海道電力(株) | 札幌市 | 電力・エネルギー | 北海道全域への電力供給を担うエネルギー企業 |
(株)北海道共創パートナーズ | 札幌市 | コンサルティング | 道内企業の経営課題解決・事業共創を支援 |








